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デート代は結局どうしたらいいの!?割り勘・奢り論争に終止符

chikaze

92’/ノンバイナリーのフリーライター/修士(学術)/社会心理学専攻、主にジェンダー論。純文学、’70s少女漫画、映画、古着が好き。街コンで出会った夫ともうすぐ結婚2周年。noteでエッセイと小説を書いています。

恋愛を巡る問題で必ず勃発するのが、デート代の割り勘・奢り論争ですよね。結局どうしたらいいの?!と頭を抱えている方も性別問わず少なくないはず。

従来であれば男性が奢るのが一般的でしたが、その考えはもう古いというのが昨今の世論かと思われます。そこで今回は、この論争にいよいよ終止符を打つべく「デート代割り勘・奢り論争」について徹底リサーチしていきます。

特に後半では異性カップルの方だけでなく、同性カップルの方に向けた情報も盛り込んでいるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

なぜデート代は「男性が奢る」という考えが根付いたか

ディナーの準備がされたテーブル

そもそも、なぜ男性が奢って当たり前という考えが根付いたのでしょうか。この論争に終止符を打つためにも、まずはその根源から問題を見直してみましょう。

男性優位の社会だったから

女性の社会進出が今よりずっと進んでいない時代は、当然ながら男性の方が経済的に豊かでした。女性が家を守り、男性が外で働くという旧来の性役割が根強かったため、デートの場面でも金銭的負担は男性が担うという流れがスタンダードになっていったのでしょう。

女性の化粧が男の人のためのものだった

りゅうちぇるMattなど、女性以外の人も化粧を楽しむのが一般的になったのは、ここ数年の話。ほんの一昔前まで、化粧は「女性のもの」として見られていました。

それも今のような「自己表現」の手段ではなく、大人の女性のマナーとして捉えられていた時代だったので、「身だしなみにお金のかかる女性のためにデート代は男性が負担する」という考え方が根強かったようです。

体格差

これは現代にも通じることですが、男性と女性ではやはり体格も違うので自ずと食べる量も違ってきます。よりたくさん食べる男性が食事代を担うのは当たり前、という考え方だったみたいですね。

それに加えて、都市伝説のように「女性は小食の方がかわいい」という論調がまかり通っていた時期もあったので、「モテ」を気にする女性が男性の前では食べる量を控えめにしていた、というのもあるかもしれません。

デート代に対する従来の考え方はしんどい?!「奢られる側」の不利益

客と談笑しながらレジ打ちをする女性店員

ここまで、なぜ「男性が奢るべき」という考えが社会に根付いたのか振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか。ご納得していただけた方も多いのではないかと思います。

しかし、時代は移ろいゆくものです。いつまでも従来の「男が奢るべき」という考え方に縛られていては、奢る側だけでなく奢られる側(主に女性)もしんどい思いをするというもの。

そこでこちらでは、具体的に「奢られる側」の不利益をピックアップしていきます。

将来家事を全部担うつもり?それは辛すぎる!

すべての人が男性と同じくらいの収入を得ているとはまだまだ言い切れないですが、少なくとも共働きの家庭が一般的になったことは事実です。

経済的負担を相手だけに背負わせる状況のまま一緒になると、将来家事の負担を自分だけが背負う状況に陥ってしまいがち。でもそれって、長い目で見るととってもしんどいですよ。

自分も外で働いているのに自分だけが家事をしなければいけないのって、なかなかに辛いです。どちらか一方に役割を「押し付ける」よりも、「補い合う」方がずっと合理的で気楽だと思いませんか?

化粧が趣味なら押し付けちゃダメ!減額しろって言われたら?

化粧が社会における女性の身だしなみとして捉えられる場面は、現在でも少なくないはず。化粧が好きじゃない人、興味がない人だっているのに、この風習は生きづらいですよね。

プチプラでじゅうぶん!なんていう人もいますが、肌の弱い人なんかだとそういうわけにもいかず、結果として出費のかなりの割合を占めてしまうことも。そういった「マナーとして仕方なくやっている人」は、パートナーと相談した上でデート代や生活費をその分多く担ってもらうのはアリでしょう。

けれども、現代では自己表現の手段としての意味合いも大きくなっているため、化粧や美容が趣味になっている方も多いと思われます。“趣味”であるのに、“好きなこと”なのに、その分を相手に負担してくれっていうのはちょっと道理が通らないのではないでしょうか。

また、そういう方にとっては、「デート代/生活費のために化粧にかけるお金を減らしてくれ」なんて相手にお願いをされたら、息苦しくなってしまいますよね。そんな台詞を言わせないためにも、化粧が自分にとって「相手のため」「マナーのため」であるのか、はたまた「自分のため」であるのか、そこに焦点を合わせて今一度考え直してみてください。

デート代を「奢る側」も自分のためにならない!

ぶたの貯金箱と周りに散らばった硬貨

「奢られる側」の不利益を具体的に挙げてみましたが、ちょっと意外に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。「奢られる側」にもしんどさや息苦しさをもたらしてしまうのが、「男性が奢るべき」という古臭い価値観なのです。

それを踏まえた上で、改めて「奢る側」の不利益を具体的に見ていきましょう。きっとハッとする部分があるはずです。

「男のプライド」のために奢り続けるの?先のことも考えて!

自ら進んで「俺が奢るよ!」と言ってくれる男性も、世の中にはたくさんいます。気持ちはありがたいけれど、長い目で見たとき、果たしてそれって相手のためになっているんでしょうか?

「男のプライド」とやらを保つためだけにパートナーに奢り続けていては、後々自分の首を締めるだけです。毎回毎回デート費用を全額自分持ちって、相当な出費ですよね。そのような交際が長続きするとは、とても思えません。

今は良くても将来は?一緒になるときに貯金0はきつい!

「男のプライド」を優先し続けていては、いずれ破綻がきます。パートナーとの将来を考えたときに、今の調子で本当にやっていけるのでしょうか。

いざ一緒になることを決心したときに、貯金が0だったら元も子もないですよ。お金がすべてではないけれど、お金がなければ生活していけないこともまた事実です。

デート代は完全に割り勘?それもちょっとつまらない!

ランチデートで語り合いながら見つめ合うカップル

とはいえせっかくのデートで毎回割り勘だなんて、ちょっと色気に欠けますよね。それじゃあどうすればいいの?!と混乱してしまう方も多いと思うので、ここで打開策を考えてみませんか?

色気を損なわず、でも無理はしないデート代の割り振りの仕方を、こちらでご提案してみたいと思います。旧来の「男女」という枠組みに捉われないデート代のやりくりの仕方なので、異性カップルの方だけでなく同性カップルの方もぜひ参考にしてみてください。

奢ってもらったら次は奢る!「奢り役」を交互に繰り返すのは?

「奢る」という行為って、「あなたとの時間が楽しいです」「あなたとの食事は美味しいです」という感謝や愛情の表し方の一つでもありますよね。だったら、「奢り役」を交互につとめるというのも手です。

完全な割り勘よりも素っ気なさは感じにくいので、「特別感は大切にしたいけれどどちらか一方が奢り続けるのは辛い…」と考えているカップルの方は、ぜひこちらのやり方を取り入れてみてはいかがでしょう。

収入が多い方が多めに支払う!お茶代やプレゼントでお返しを

一方がかなり年上だったり、収入に格差のあるカップルも少なくないと思います。その場合はお互いの納得と合意の上で、どちらかが甘えてしまうのもアリかもしれません。

ただし、奢りっぱなし/奢られっぱなしの状態にしてしまうと先ほど挙げた「奢られる側」の不利益が発生してしまいやすくなります。そこで、お茶代などの細かい支払いを「奢られる側」が担ってみてはどうでしょうか。あるいは時折のちょっとしたプレゼントなんかもいいかもしれません。

この方法ですと、お互いに「感謝の気持ち」を伝えることができますし、負担が偏りすぎてしまうのも避けることができます

見栄や意地を張らずに話し合って!お互いが納得する地点こそが「終止符」

レストランで夕食を食べながら手を握り見つめ合うカップル

ここまで「デート代割り勘・奢り論争」について終止符を打つべく考察してまいりました。結局は「男ならこうするべき」「女ならこうするべき」という古くてダサすぎる価値観に囚われすぎていたがゆえ、たびたびちまたで巻き起こっていた論争なのでしょう。

何より大切なことは、見栄や意地を張らずにお互いの納得するまで話し合うこと。お金のことを口に出すのは品がない、という見方もありますが、2人がよりよい関係を築くために話し合いは必要不可欠です。

お互いが納得しているのならば、もちろん思い切って完全割り勘制でもよいでしょう。要は“2人がどうしたいか”です。みんなと同じにする必要はなく、自分たちを基準に考えれば、案外すんなり解決する問題かもしれません。

支払いについて、旧来の考え方に囚われすぎずに、互いの着地点を柔軟に探れるといいですね。それこそが真の「デート代割り勘・奢り論争」における終止符なのではないでしょうか。

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